●●●予防歯科とは●●●
【予防歯科って何?】
予防歯科とは、虫歯になってから治療するのではなく、虫歯になる前からの予防やケアを大切にすることです。
歯や口の健康を守るために、歯科医院などで行われるプロフェッショナルケアと、歯科衛生士や歯科医師の指導に基づく毎日のセルフケアの両方で予防歯科の実践をしましょう。そのためにも歯科医院に定期的に通い、定期検診を受けることが大切です。
最近日本でもようやく予防歯科が認知されてきましたが、すでに欧米諸国では歯科医院などで定期検診を受信することが習慣となっており、日頃から歯科衛生士や歯科医師と一緒に歯や口の健康づくりが実践されています。
予防歯科は歯が生え始めた時から歯の健康を考えることが基本にあります。歯を失うと生活の質が下がってしまいます。それを防ぐためにも正しい知識を身につけ、生涯を通じて歯をトラブルから守り、管理する予防歯科が大切になってきます。日本でも厚生労働省から歯科口腔保健の推進に関する基本的事項が報告されるなどして、予防歯科を推奨する機運が高まりを見せています。
【予防歯科のポイント】
予防歯科のポイントとしてまず挙げられるのが、フッ素を口の中に残すことです。フッ素とは自然界にある元素のひとつで、お茶などにも微量に含まれている成分です。骨を作るために欠かせない役割を果たし、虫歯の予防にも高い効果を発揮すると言われています。
フッ素には歯の健康を守るための大切な成分が含まれており、主に3つの働きがあります。まず酸により歯から溶け出したカルシウムやリンを補い(再石灰化)、エナメル質の修復を促進します。次に歯の質を強化し、歯の表面を覆うエナメル質を酸に溶けにくい性質にします。そして虫歯を引き起こす最近の働きを弱め、酸が作られるのを抑えます。
効果的なフッ素の使い方として、なるべく長い時間口内にフッ素を残すことが挙げられます。
歯磨き粉などに含まれているフッ素は、歯磨きをしている時だけでなく、歯磨き後も残り、少しずつ作用します。毎日の食事を中では、必ず脱灰は起こっています。虫歯予防のためにも、フッ素を常に口内に存在させ、再石灰化をするのが理想です。そのために、できるだけ長くフッ素を口内に残せるようにしましょう。
ちなみに歯磨きの時間は短い時間よりも長い時間をかけて磨いた方が当然フッ素は口内に残りやすくなります。虫歯の原因である歯垢を除去するためにも、きちんとブラッシングを行いましょう。すすぎの水の量は少量でかまいません。
【歯垢(プラーク)について】
歯垢(プラーク)とは、口のトラブルの原因となる細菌の塊のことです。歯垢は歯の表面に付着し、増殖していきます。1mgの歯垢の中には、約2〜3億の細菌が存在し、虫歯や口臭、歯周病などの原因となります。
歯垢が残りやすい場所は、歯磨きでは磨きにくい奥歯や歯間です。歯垢は粘着性が強力で、歯の表面に強く付着しているため、うがいなどでは簡単に取り除けません。特に歯と歯の間や奥歯の噛み合わせ面などの磨きにくい部分には残りやすいので、注意が必要となります。
歯垢を取り除くには、歯垢をしっかり磨き落とせる歯ブラシを選ぶことが大切です。目的や気になる症状に合わせ、自分に合った歯ブラシを歯科医院で相談して選ぶとなお良いでしょう。
歯ブラシ選びのポイントとしては、まずヘッドの大きさは自分の口にフィットするものにしましょう。ヘッドの長さは上前歯2本分が目安で、口の中で動かしやすいものが良いでしょう。次に毛の固さは歯茎の状態に合わせましょう。歯茎が健康であれば普通か固めでも良いのですが、出血することがあればやわらかめを選ぶことをおすすめします。そしてハンドルは握りやすさを考慮し、自分にフィットするものを選びましょう。
【細菌を増やさない】
口内の細菌が増えると、虫歯などのトラブルになるリスクが増えます。口の中で細菌が増殖すると、虫歯などのトラブルの原因となる歯垢が生成されることになります。最近が最も増えるのは、就寝中と言われています。唾液の中には口中で細菌を洗い流す自浄作用があります。しかし就寝中には唾液の分泌が少なくなってしまうため自浄作用が低下し、虫歯の原因となるミュータンス菌などが増殖してしまう傾向にあります。
その対策として殺菌剤配合のデジタルリンスを就寝前に使用することもオススメです。デジタルリンスは殺菌成分が隅々まで行き渡るため、細菌の増殖を抑える効果があります。
歯磨きをしていれば問題ないだろうと思われる方もいますが、きちんと歯磨きが出来ているという方は、約2割とも言われています。自分ではきちんと歯磨きができているつもりでも、磨き残しはどうしてもでてきてしまうので、一度も歯科医師による歯磨きのアドバイスを受けたことのない人は、一度受診してみるのも良いでしょう。