矯正歯科について

●●●矯正歯科について●●●

【矯正歯科とは】

正しい噛み合わせで食べ物を美味しく食べられることは、健康の基本となります。そして美しい歯並びで大きな口を開けて笑うと心は豊かになり、周りを明るくします。反対に歯がチグハグだったり、噛み合わせがきちんとしていないと、食べ物を上手に咀嚼することができません。歯磨きの時にも磨き残しが多くなり、虫歯や口臭、歯槽膿漏の原因にもなります。その他にも上手に噛むことができないと、あごの関節に悪影響を及ぼしたり、食べ物を飲み込む時に喉や舌にも異常が出てきます。
将来入れ歯を作る時になった場合、歯が生えていた骨の部分にズレがあると、良い入れ歯を作る事ができません。人によっては歯並びが悪いことにコンプレックスを抱いたり、発音に支障が出たりと、コミュニケーションにおいても悪影響が出る場合もあります。
歯並びは人が生きていくうえで、一生関わってくる大事な身体の一部です。矯正歯科では、歯並びをきれいに揃えることで、噛み合わせの悪さや骨の状態、見た目を改善し、一生を通じて口と心の健康をもたらすことができます。

【矯正歯科を始める時期】

矯正歯科での治療を始めるのは、歯並びや噛み合わせの状態、年齢などによって異なってきます。
まず食べ物を食べる時、あごが邪魔されずに動いているかチェックしましょう。あごを前後左右にずらさないと噛めない場合は、乳歯が生えている時期から治療が必要な場合があります。歯のチグハグがひどくなりそうな場合にも、成長する力のある若い時期であれば、積極的な治療が可能なので、早期受診をおすすめします。
親知らずに押されていたり、虫歯で歯を失くした場合、放っておくと噛み合わせに大きな変化が出てきます。そのように中高年になってから生じた噛み合わせや歯並びの悪さにも、矯正治療が必要となります。
矯正歯科には年齢制限はありませんが、歯茎や歯を支えている骨が健康であることが必要とされるので、歯並びに不安を抱えている方は早期に受診された方が良いでしょう。

【治療期間】

矯正歯科の治療期間は、受診した年齢や症状により異なりますが、矯正治療はあごの骨の中にある歯を動かしたり、あごの位置や大きさをコントロールするため、ある程度の年月が必要です。近年では治療技術の進歩により治療期間は短くなったものの、成人の場合治療に1〜3年ほどかかることが一般的です。
また治療後も逆戻りしないように歯を安定させる保定期間も必要とされています。子どもの出っ歯や受け口の治療には、上あごと下あごの成長に伴うコントロールが必要なため、数年にも及ぶ治療期間があることもあります。

【矯正歯科に使用する装置】

矯正歯科の治療には、多くの種類の装置を使用します。大きく分類すると、歯の表面に接着する固定式装置と、自分で取り外しが可能な可撤式装置があるます。
固定式装置の代表的なものに、マルチブラケット装置があります。これは歯ひとつひとつに小さなブラケットと呼ばれる装置を接着して、細いワイヤーを通して歯を動かすための力を発生させるものです。セラミック製のものや透明なプラスチック製のものも良く使われます。
可撤式装置は、患者自身で取り外しや装着ができるものです。噛み合わせの位置やあごの成長を誘導する装置や歯の位置を部分的に治す場合に用います。近年では無色透明な可撤式装置もあります。
個人個人の歯並びによって、使用する装置も異なってきます。自分に適した装置については、歯科医院にて相談すると良いでしょう。

【矯正歯科における抜歯の必要性】

抜歯が必要か否かの判断は、矯正歯科の専門医にとってもとても重要な問題です。歯を動かし、きれいな歯並びにするためには、その分のスペースの確保が必要となります。
歯を抜かずに治療を行う場合、歯列の幅を広げたり、奥歯から順次後方へ移動させるなどしてスペースを確保するのですが、あごの大きさによってそのスペースは限られてきます。限界を超えてしまった場合、後戻りなどの弊害がかえって引き起こされる場合もあります。
そうなってしまった時には抜歯が必要となります。矯正歯科専門医では、歯列模型やレントゲンなどを用いて、歯のチグハグ具合やあごの骨の大きさや形、歯の萌出方向や位置を確認し、審美的な面も含め、総合的に判断します。もちろん出来るだけ歯を残すようには考えますが、絶対に歯を抜くことはないとは言い切れない場合もあるので、注意が必要です。