歯の基礎知識

●●●歯の基礎知識●●●

【歯の大切な役割】

歯は食べる事以外にも、身体にとってとても重要な役割を担っています。食事をする時に、食べ物を噛み砕いて細かくし、消化しやすくする役割をはじめ、表情を作ったり発音を良くしたり、身体の姿勢やバランスを保つ役割や何かを噛むことで脳に刺激を与える役割などもあります。
このように歯は私たちが毎日生活するにあたり、必要不可欠な役割を持っています。正しい歯磨きやケア用品を使って、歯の健康をいつまでも保ちましょう。

【子どもの歯「乳歯」について】

乳歯は全部で20本あります。乳歯が生えることによって、ものを噛むことができるようになり、顔の形も整ってきます。子どもにとっては、自分で食べ物を食べる力をつけるという大事な役割も担っています。
乳歯の生える順番や時期が異なる場合ももちろんありますが、大体生後8ヶ月から下の乳中切歯が生え始め、上の乳中切歯が生えてきて、そのあとに前から奥へと順番に、2〜3年ほどかけて生え揃います。
乳歯は虫歯の進行が早いため、この時期に虫歯になると、歯並びや次に生えてくる永久歯に影響を及ぼすので、定期的な歯科医院への検診と、歯磨きの実践を心掛けるようにしましょう。
生えかわりの時期には個人差がありますが、一般的には6歳前後から6〜7年かけて乳歯から永久歯へと生え変わってきます。
まずあごの中で永久歯が時間をかけて成長し、永久歯の根が作られ始めると乳歯の根が少しずつ溶かされてきます。乳歯の根が溶けてなくなると、乳歯が抜け落ちて永久歯に生え変わります。

【大人の歯である「永久歯」について】

親知らずを含めて永久歯は全32本あり、3種類の形状に分けられ、そのそれぞれが異なる役割を持っています。

【永久歯の種類】

「切歯」食べ物を噛み切るためのは
中切歯:根は円形になっており、平べったくて大きい
側切歯:中切歯と似ており、平べったい歯

「犬歯」食べ物を切り裂くための歯
犬歯:あごの動きの基本となり、先が尖がっている

「臼歯」食べ物を磨り潰すための歯
第1小臼歯:上あごの第1小臼歯は下あごを固定するのに重要な歯
第2小臼歯:噛み合わせ時の安定を保つための歯
第1大臼歯:食べ物を噛む時にもっとも重要になる歯
第2大臼歯:上下ともに12歳前後で生えてくる歯
第3大臼歯:」生え方や生える時期などに個人差がある歯であり、親知らずとも呼ばれる。

このなかでも第1大臼歯(奥歯)は永久歯の中でも最も大きく、噛む力も一番強いため、噛み合わせの基本ともなる重要な歯です。しかしながら虫歯になりやすいため、生えてきたら積極的な虫歯の予防が大切となります。
第1大臼歯は奥に生えるため、歯磨きが難しく、生え揃ってから上下の歯が噛みあうようになるまで1年以上かかることも多々あり、その間に汚れが溜まりやすい状態が続くため、噛み合わせの溝の中で汚れが溜まりやすいのが、虫歯になりやすい理由となります。

【歯の構造】

歯の上部に見えている部分を歯冠部といいます。人間の身体の中で最も固い組織であるエナメル質(歯の外側にある鉄より硬い組織)が象牙質(歯髄神経を取り囲む組織で、虫歯がここまで進行してくると痛みが出てきます)や歯髄神経(神経と血管が集まっている組織)などを外から覆って守ってくれています。
歯肉の下部は歯根部と呼ばれています。ここは歯茎(歯肉。歯槽骨を覆う粘膜のことで、歯槽骨や歯根膜を守る役割がある)によって、歯槽骨(あごの骨のうちで、歯を支える組織)や歯根膜(歯槽骨に刺激が伝わらない様クッションの役割をする組織)といった組織が守られています。

【永久歯と乳歯の違い】

人間は子どもから大人へと成長していくにつれ、あごも成長して大きくなり、歯も乳歯から徐々に永久歯へと変わっていき、噛む力も大きくなります。
色で判断すると、乳歯は白色に近く、永久歯は黄色で判断されます。大きさは乳歯の方が永久歯よりも一回り小さくなります。歯質はエナメル質も象牙質もどちらも乳歯の方が薄いので、乳歯の方が薄いので乳歯の虫歯の進行には、注意がひつようです。